この記事では、駆け出しウェブデザイナーや駆け出しエンジニアにとって本当に悩みのタネである「実績がないときのポートフォリオ活用術」「最初の1件目の実績の作り方」について触れていきます。
実績がなくてもポートフォリオを活用する方法はあります。いつもどおり具体策も書いてありますので、一緒に見ていきましょう。
実績がないという状態は次の2パターンあるという前提で記事を書いています。
- クラウドワークスだけではなく、そもそも仕事自体の実績がない
- 仕事の実績はあるが、クラウドワークスでは実績がない
どちらの場合も、ポートフォリオは有効に活用できます。
その方法を含めて、クラウドワークスにおけるポートフォリオの意義などをまとめました。初めてクラウドワークスを利用する方や、これからポートフォリオを作ろうとしている方、すでにクラウドワークスで活動しているけど稼げないと感じている方は、一度目を通してみてください。
クラウドワークスにおけるポートフォリオとは何か
クラウドワークスではプロフィールの一環として、クラウドワーカーがこれまで作ってきた作品や従事してきた仕事経験を紹介するための「ポートフォリオ・経歴登録」という機能があります。
登録できる項目は以下のとおりです。
- 概要(128文字以内)
- 期間
- 参考URL
- 詳細(2,048文字以内)
- 会社名
- 役職/役割
- 使用言語/ツール
- チーム人数
- 添付ファイル(画像3点まで)
このような項目になっています。「詳細」や「添付ファイル」などの項目名の曖昧さ(柔軟さ)からも分かるように、本来ポートフォリオと言えばデザイナーなどが自分が携わった作品をまとめたものですが、クラウドワークスのポートフォリオは職務経歴書としても使われることを想定しています。
目的を明らかにしておく
クラウドワークスにおけるポートフォリオの目的とはなんでしょうか。とてもシンプルです。プロフィールや受注実績やランキング履歴などと同様で、契約獲得の確率を上げることが目的です。
もう少し具体的に定義しておきます。
自分がどういう作業にどの程度熟達しているか、どんな知識を実践的に活用できるかを提示することで、「この人なら期待通りの成果物を納品してくれそうだな」と思ってもらう(信用される)ことが、ポートフォリオの目的です。
発注前から100%の信用を勝ち取ることは現実的に考えて無理なので、「信用できそう」と思ってもらうことが大切です。逆に言うとポートフォリオを見たクライアントに不信感を抱かせる行為は絶対に避けるべきです。これもとても大切です。意外と不信感を覚えるポートフォリオは、クラウドワークスでは多いです。
どのような効果を期待できるか
時間をかけてポートフォリオを整えることで、どのような効果を期待できるかも明確にしておきます。目的ともややかぶりますが、大切なので改めて定義しておきます。
- プロフィールやスキル欄では、どんなスキルが出来るかしか伝わらないが、ポートフォリオなら、そのスキルをどの程度使いこなすことが出来るかを、より具体的に伝えることが出来る
- 自分が携わってきた具体的な作業内容を公開することで、どんなジャンル・業界に強いのかを伝えることが出来る
- 説明が丁寧なら、仕事に対する真摯さ・丁寧さ、または説明能力の高さを伝得ることが出来る
ここで重要なのは、プロフィールなどの他の機能よりも詳細に業務遂行能力や仕事に対する姿勢を伝えることが出来るという点です。
しっかり整えておけば、ポートフォリオまでじっくり読み込んでくれたクライアントと契約を結べる可能性があります。
これがポートフォリオのいいところです。最大のメリットです。
実績ゼロでポートフォリオを作るにはどうしたらいいか
ここからは具体的な方法論を紹介していきます。ここでいう実績ゼロという状態は、クラウドワークスも初心者なので受注経験がなくて、かつクラウドワークスで取っていきたい仕事自体も未経験のため作品がない、という状態です。仕事をしていくので、最低限の学習などはしているが、仕事としてこなした経験がないということです。
学習をしてない・必要な知識を身につけていない(身につけているのか分からない)場合は、先に体系的な学習をオススメします。
あまり知識がないケースと十分知識があるケースの2つのケースを想定してポートフォリオ機能を活用する方法を紹介していきます。
知識がないケース|体系的に学べる方法を模索する
ウェブデザイナとエンジニアは、未経験から書籍を読んで体系的に学ぶのは茨の道です。スクールを検討してください。ただし、カリキュラムの中でオリジナルサイトやオリジナルアプリなどを制作できるカリキュラム構成になっているスクールを検討してください。理由はもちろん、最初の実績としてポートフォリオに掲載するためです。他の条件(金額や通いやすさや期間など)はご自身の判断でOKです。
スクールで作った作品をポートフォリオとして掲載する際には、スクールに一言確認を入れておくと安心です。制作品に含まれる素材の著作権問題で公開NGとなる可能性もあるので、抜かりなく質問しておきましょう。
もし質問しやすいスクールと出会えたのであれば、実績を増やすポイントなども教えてもらいましょう。
ポートフォリオの詳細項目にて、スクールで作成した作品であることを一言添えておきましょう。スクールによってはただサイトを制作するだけではなく、しっかり企画や設計の段階から作り込むカリキュラムを持っているので、そういった経緯も詳細項目に盛り込むと良いでしょう。
知識があるケース|練習制作を行う
すでにスクールに通ったり、独学で十分学習できていて基本的な仕事の流れを知っている方は、練習制作がオススメです。
いわゆるお仕事としてではなく、練習として作品を作り、ポートフォリオに掲載する方法です。この場合も練習制作として作成した旨を記載しておくと誠実でしょう。
練習制作には次の2つの方法があります。
知人のウェブサイトやアプリなどを作らせてもらう
最も堅実は実績の作り方がこれです。運良く周りに自営業の知人や親族がいるなら、その人のウェブサイトや簡単な業務アプリなどを作らせてもらえないかと聞いてみましょう。
この際、報酬をもらうかどうかは相手との関係によってどちらでも構いません。もらえるならもらいましょう。こと仕事においては、ボランティアは美徳ではありません。格安でもいいので報酬がもらえるなら、遠慮なくいただきましょう。
ただ、報酬よりも実績のほうが大事なので、初実績のためなら、さいあく無償でもかまいません。
繰り返しですが、たまたま周囲にウェブサイトやアプリを必要としている知人がいるなら、その人に実績作りへの協力を求める方法は、最も堅実でおすすめです。
オリジナルサイトやアプリを考案して作る
これはクライアントがいない自分プロジェクトです。
プログラミング言語であれば、よくTODOアプリを作る人が多かったり、自分の興味のあるアプリを開発する人が多いでしょう。この際、何ヶ月もかかる壮大なプロジェクトを始めないように注意しましょう。あくまで数週間以内に出来るミニプロジェクトにします。
ウェブサイトであれば、ギャラリーサイトを眺めてインスピレーションが湧いたサイトを作ってみたり、無料の写真素材を眺めてインスピレーションが湧いたサイトを作ってみるといいでしょう。
例えばタダピクなどに掲載されているカフェの写真にビビッときたなら、他にもコーヒーの写真やスイーツの写真なども収集して、架空のカフェサイトを作るのもいいでしょう。
または自分の趣味としてJリーグのチームを応援しているのであれば、そのチームの応援サイトを作ってみるといったことでもいいでしょう。この場合、肖像権やチームロゴの著作権(使用規定)などには十分配慮しましょう。
ポートフォリオ実績の作り方まとめ
ポートフォリオの目的は自分の実力を明示することなので、正規の仕事でなくとも実績として掲載することが可能です。上述した方法を利用することで、仕事実績ゼロでもポートフォリオはしっかり作り込むことができます。
スクールに通って業務知識とオリジナルサイトを作るか、クラウドワークスで案件に申し込みつつ案件が決まるまでの間は練習制作をしましょう。
次の記事では、自分なりの実績が作れたときに、その実績をしっかり資産化するためのポートフォリオ登録術を紹介していきます。